標高差:846m
急登を登り切ると50分にて ”広沢田代湿原”に出る。
咲いている花は ”ワタスゲ”のみで寂しい。
次ぎの登り途中から ”広沢田代”を振り返り見る。
ガスは標高を増す程濃くなってきた。
まずは ”俎ー ”(まないたぐら)標高2,446mの山頂で記念撮影をする。
”俎ー”の山頂からは、隣に聳えているはずの
”柴安ー”さえ全然見えていない。
鞍部に降りて登り直すと燧ヶ岳最高峰の ”柴安ー(しばやすぐら)”
(2,356m)に着く。 山頂標識は墓石の転用のようだった。
”俎ー”に戻り、尾瀬沼側に向けて下山を始める。
尾瀬沼側から登って来るハイカーを見ると、かなりの急登なのが判る。
下山と共にガスが切れて来た。 霞んではいるが ”尾瀬沼”の全景が見える様になってきた。
”尾瀬沼”に先端が突き出すように見えているのが ”ミノブチ岳”の展望所。
肉眼では ”ミノブチ岳”で、沢山のハイカーが展望を楽しんでいるのが見えた。
下山途中より ”柴安ー”を振り返り見る。 鞍部からの急登振りが良く判る。
福島県南会津郡檜枝岐村
前日の移動
ミニ尾瀬公園の駐車場で車中泊し、早朝に御池駐車場に移動するが、昨夜から降り出した雨は止みそうになくカッパを着ての山歩きは嫌なので尾瀬観光とする。
前日の尾瀬沼観光
新調した長靴に傘を差した格好で尾瀬沼観光をする。 7時35分のシャトルバス(片道530円)に乗るが、平日で早朝なのに老人会のバスに乗り合せてしまったかと思うほどジジババ軍団でバスは一杯だった。
20分で沼山峠駅に着く。 木道で整備された沼山峠を越えると一面ニッコウキスゲが咲き誇る
大江湿原に出る。 半日を尾瀬沼散策で時間を潰す。
札幌の鉄人との出会い
尾瀬沼観光から帰ると燧ヶ岳を終えた人が居たので声を掛けてみると、札幌から来られた方で今回の遠征で百名山を終えられる予定とか。 百名山はスタンプラリーらしく今日も雨天は関係無く登る予定だったとか。
隣りに車を移動して、夕飯を御馳走してもらうことになった。 パソコンは苦手と言いながらGPS、カウンター付き腕時計で武装しており、中々のハイテクおじいさんであった。
色々御馳走になるが当方は自家製の梅酒を供給出来るのみ、酒を呑みながら夜遅くまで話し込む。(ほとんど聞いているだけだったが・・・) 明日は平ヶ岳に登るらしく、明後日はお互い越後駒ヶ岳に登るので駐車場で御一緒させてもらうことにした。
前日の雨の影響もあろうが、急登部は沢状態に水が流れている。
大きな火山石がゴロゴロしており面白い登りであった。
大きな階段状の山麓であり、平坦部では黒土でどろどろ状態。
木道の無い部分も多いのでスパッツは必須だった。
2時間12分の地点で小さな残雪が出て来る。
アイゼンは無しで登ることが出来た。
残雪帯の周囲には ”シャクナゲ”が満開となっており、掻き分け進む。
長靴の予定だったが
新調した長靴(1280円)で尾瀬沼を半日歩いたもので足にマメが出来てしまい、今日は登山靴とした。
経験上、雨上がりの湿原には長靴が一番適していると思う。 登山後も水でジャブジャブ洗うだけで、
翌日もそのまま使えるのがメリットである。
7時19分、2時間44分にて ”俎ー(まないたぐら)”(2,346m)に着く。
山頂は薄くガスっており、気温は8℃で寒い。
同じく、下山途中より ”俎ー”を振り返り見る。こちらも相当な急登である。
”燧ヶ岳”から南南西方向には ”皇海山”、”男体山”が見えているはずであるが、
同定出来たのは山容に特徴のある ”日光白根山”のみだった。
特徴ある ”日光白根山”のシルエット。
これを基点に各山名を特定していくが合っているかどうか?
下りも後半に入ると樹林帯の泥濘道となり、変化が無く、
面白みの無い退屈な道となる。
尾瀬沼のニッコウキスゲ
燧ヶ岳登頂後、同じ泥道を引き返すのが嫌で、昨日、半日も観光
した ”尾瀬沼”に再び来てしまった。 相変わらず人が多く、一眼
レフを持ったカメラマンが多い。 この3連休は数十万の人が訪れて
木道は数珠繋ぎ状態で身動きが取れなかったらしい。 観光地は3連
休を外して正解だった。
6時間05分にて登山道から ”尾瀬沼”の散策道に入る。
”霧ヶ峰”のニッコウキスゲも凄かったが、”大江湿原”は更に凄かった。(昨日には3時間も散策している。)
”ネジリラン”の花には早過ぎたのが残念である。 左の小さな丘に ”平野家”の墓があり、
そこが ”ネジリランの丘”になっている。 つぼみは沢山あった。
下山
御池の駐車場には 12時30分に戻り、約8時間で ”燧ヶ岳”を終える。
駐車場の車を停めている横にヘリコプターがローターを廻したまま停まっており、しばらくは車に
戻れなかった。
今日の温泉
御池ロッジの温泉に入る。 昨日も入ったが、これだけ観光客が多いのに温泉はがら空きだった。
移動
檜枝岐村に戻りアルザ尾瀬でまともな飯を食べ、”枝折峠”(しおり峠と読む)に移動する。
平ヶ岳の登山口で偶然、鉄人と会う。 8時間半で ”平ヶ岳”を終わらせたらしい、恐るべし62歳だ。 鉄人は沢で行水すると言うので ”枝折峠”の駐車場でで合流し、晩飯を食ったところなのに
又、鉄人から晩飯を御馳走になる。 昨日と同じく酒を呑みながら夜遅くまで喋って寝る。
今日も星が出ていない。 明日の天気が心配だ。
札幌から百名山遠征中の大瀧さん(62歳)。
アパート経営の資産家でありながら、毎日登山、
新聞配達で体を鍛えているらしい、食べ物にも、ものすごく気を使っているとか。
御池駐車場の写真を撮り忘れたのでネットから拝借してきた。
当日の登山
駐車場の一番奥に登山口がある。 気温12℃、寒冷前線が通過したのか寒い。
4時35分出発、空はどんよりしており、何の為に一日待ったのか判らない天気だ。
登山口には山頂まで4.5kmの標識あり。
昨夜の札幌の鉄人からのアドバイス
ガスってしまうと俎ーから直ぐ隣りの柴安ーが見えず、みんな俎ーを最高峰と思って下山してし
まうので注意するようにとアドバイスがあった。 実際、その通りになってしまいコンパスを頼り
に柴安ー方向に進んで行くと急斜面をどんどん降りて行く。 踏み跡はあるのでそのまま進んでいくと鞍部に降りて急登の登り直しとなる。 お陰様で最高峰に立つことが出来た。
ガスが切れると
山頂ではガスが一瞬切れる時があり、その一瞬はカーテンで隠されていた展望が一機に見れる
感じで感動的ではあった。 ただ、二人組みのいい歳扱いたおっさんが、ガスが切れる度にど汚い
歓声を上げるので、やめてくれよの感じだった。
”大江湿原”より見た ”俎ー”と ”柴安ー”の双耳峰。
1日花の ”ニッコウキスゲ”は次々と開花するので
いつも咲いている様に見えるらしい。
”大江湿原”から長い木道を歩いて ”沼山峠”を越える。
小学生の団体が登ってきて、しつけ良く挨拶してくれるもの
だから、返答するのに疲れてしまった。
バス停である山の駅 ”沼山峠休息所”多くの人が尾瀬散策に
来ていたが登山者は僅か。 ここからシャトルバスで
”御池”の駐車場に帰る。
参考に今回の ”燧ヶ岳”の山歩きを鳥瞰図にしてみた。
Road Map :檜枝岐村から国道352号線を御池駐車場まで戻る。
Route Map:御池〜広沢〜熊沢田代〜俎ー〜柴安ー〜俎ー〜ミノブチ岳〜長英新道尾瀬沼〜大江湿原〜
沼山峠〜沼山バスを経由してシャトルバス戻る。
深田久弥著の「日本百名山」から
この山を開いたのは、桧枝岐村の平野長蔵氏で、二十歳の明治二十二年(1889年)八月二十九日燧ヶ岳に登り、更に九月二十四日、頂上に石祠を建設した。 その後、沼畔に長蔵小屋を建て、尾瀬沼山人と
名乗ってその一生を尾瀬の開発と擁護に捧げた。
'05年度、尾瀬の山遠征
雨天の為
『日本百名山』 花と大展望の山。 尾瀬沼散策は観光客で混雑するので土日、連休を外すべし。
ひうちがたけ
登り:2時間44分(俎ーまで)
下り:3時間21分(尾瀬沼まで)
尾瀬沼散策:1時間55分(シャトルバスで戻る)
コースタイム:8時間00分
土日、連休になると散策道は観光客で数珠繋ぎになるらしが、
平日の今日はのんびりしたものである。
”大江湿原”にて写真を撮る人、お弁当を広げる人、
散策を楽しむ人と多種多様であった。
俎ー:標高2,346m
柴安ー:標高2,356m
ひと登りすれば、又、広大で平坦な湿原が待っている。
2つ目の残雪は大きく勾配も少しきつくなったが、
ここもアイゼンは必要無かった。
一花添えておく?
2023年10月31日改定